「立てる?」

「あ、はい・・・・っ!」



松本先生に促され、ベッドから降りようと足を下ろすと足首に激痛が走った。
ズキズキと痛む足首に涙がにじむ。




「結芽!もしかして、足が痛いのか?」

「ひねったのかしら・・・。もしかしたら折れてるかもしれないわね」




春兄が私の足を優しく触る。
触れられたところが熱い―――――・・・。


ふとその先にいた臣が、苦しそうに唇を噛んだのが見えた。
・・・・臣?




「俺がおぶってやる」

「えっ、いいよ」

「そんな足じゃ歩けないだろ」




私の前に背中を向けてしゃがみ込む春兄は本気だ。
いくらけがをしたからって、春兄に背負ってもらうのは・・・。

春兄は、先生だから心配して言ってくれてるんだよね?



そう思うと、胸がずきりと痛んだ。