そこで、ようやく高城先生の顔がこちらに向いた。
忌々しく表情を歪めた先生は、僕の顔を見やった。



「それこそ、君には関係のないことだ」




ぴしゃっと切り捨てられ、それ以上何も言えなくなった。
もどかしい想いで拳を握る。



「結芽の両親に連絡を取ってくる」



そう言って保健室を出て行く高城先生をやり過ごし。
その扉が閉められた瞬間側にあった椅子を蹴り飛ばした。



大きな音を立て転がっていく椅子。




「・・・やべ。結芽ちゃん寝てるんだった」



結芽ちゃんを視界に入れれば少しだけ落ち着いていく心。




あんな奴に、渡したくない。
僕の大切な・・・。





俺の大切な人を――――――・・・。