そうやって、僕から大切な人を奪っていくんだから。




「見たところ大きなこぶはないけど、一応病院で検査をした方がいいと思うわ。もし頭を打っていたら大変」

「はい・・・」

「しばらく様子を見ましょう」



松本先生は、病院に連絡を入れると保健室を出て行く。
残されたのは僕らだけ。




「結芽ちゃんの気持ち、本当は気づいてるんじゃないんですか」




僕が行きたい結芽ちゃんの側に立つ高城先生に投げかけた言葉。
高城先生は特に反応は示さず結芽ちゃんをじっと見ていた。




「もう教室に戻りなさい。ここは俺が見ておくから」





ふぅん。
あくまで先生として対応するってわけ。
ほんと、気に入らない奴。



「結芽ちゃんの事が心配なんで、起きるまでいます」




二人になんかしない。