それが誰かなんて、すぐにわかってしまったんだ。




「結芽!!!」



思わずそう叫んで駆け降りると、優樹菜は青ざめた顔をして突っ立っていた。




「ちが・・・私じゃない・・・あの人が勝手に!!」

「なにが違うんだよ!!!」




苛立ちに怒鳴りつけると、ビクッと肩を震わせる。
慌てて結芽ちゃんに駆け寄ろうとしたその時。




「結芽!」




聞きたくない声を、聴いた。





力なく下の踊り場で倒れている結芽ちゃんに血相を変えて駆け寄ったのは、高城先生だ。
結芽ちゃんは先生の声にも反応はなく意識がなかった。