「ありがとう、春兄」



私はにっこり笑ってそう答えた。
春兄は、私の笑顔を見ると同じように笑って私の頭に手を乗せわしゃわしゃと撫でる。




「わっ」

「もっと、俺の事頼れよ?最近、うちにも顔出さないけど」

「もう、私子どもじゃないよ?」

「バカ、17はまだ子どもだろ」




ズキン。
春兄にとって私は、子ども。
横に並べることはないんだよね。



ドキドキしたり傷ついたり、忙しない。





「結芽ちゃん!」




そんな時、聞きなれた声に振り向くと無邪気な笑顔を見せた臣の姿。
なんでいつも、春兄といる時に限ってやってくるわけ?




「お、彼氏か。じゃあな」

「あ・・・」




ひらひらと手を振って春兄は行ってしまう。
名残惜しくその背中を見つめる。