唐突に言われ首をかしげる。




「なんかあったのか?様子がおかしいけど」

「え・・・・」




私の様子がおかしいって気づいてくれたの?
嬉しい。




「家のことでまた何かあったか?」

「ううん、なにも。家は別に変化なしだよ」

「そうか?なんかあったらすぐに言えよ?」

「うん。ありがとう」

「俺は、先生である前に結芽の家族みたいなもんなんだから」




家族・・・。
私は、そんな風に思ったことなんてない。
春兄は、家族じゃなくて、私の好きな人なの・・・。




なんて、言えない・・・。
情けない。
あれだけ臣に言われても、変わることなんてできなくて。
前に進むこともできないの。

春兄は、優しく微笑み私を見つめる。
私はその視線をまっすぐ受け入れることができずに俯いた。