「ああ、あれ。普通倒れそうになったら起きるよね?」

「は?」

「いやー、爆睡してたんだけどさ。バランス崩した瞬間目が覚めてあれよあれよと唇が目の前に」




はああああああ?
この男、おめおめとなにを言い出すんだ。




「起きたなら回避しようがいくらでもあったでしょうが!」

「え、だって、もったいないじゃん。せっかくのチャンスが」




こ、この男。
最低にもほどがある。




「でも、僕の唇を奪ったんだから、責任とってね、先輩」

「・・・は、責任?」




目を輝かせ私を見つめる彼に、ものすごく嫌な予感がした。






「僕と、付き合って」