真実がどうであれ、私が畑野くんを信じる気持ちに変わりはない。

だけど、許すと言われたら甘えてしまいそうになるといった彼は、許されるより私と別れる道を選んだ。

それが、何より明白な現実で、彼の意思なのならば。

もう、私には彼の心に入る隙間さえ与えられないのだろう。

そう悟った私は、畑野くんと同じ大学への進学を、辞めた。

彼の姿が見えなくたって、彼を好きな気持ちは消えないだろう。
だけど忘れていく為には、彼の存在を感じない場所が一番いい。

…決して行くことが無いことを祈って、だけどこっそり受験していた都内の女子大。

……もし。
もしも、畑野くんと同じ大学に合格出来なくても離ればなれにならないように。
滑り止めのつもりで受けて合格していたその女子大に、皮肉にも進学を決めた。