昼の休憩時間がずれたせいで、誰もいないロッカールームはしんと静まり返っていて。

「……っ」

耳に響く嗚咽が。

零れ落ちる涙が。

溢れてくる想いにもう抗えないのだと止めを刺した。

本当の想いなら、区切りなんか付けなくても選べた筈なんだ。
慶介さんとの未来を手放しで喜べた筈なんだ。

幸せになりたいって思ったけど、私にとっての幸せはきっと違う。
誰かと幸せになることじゃなくて。
誰かに幸せにしてもらうことでもなくて……。



どうして、誰かを傷付ける前に気付けなかったんだろう。

どうして、こうなる前に一人で辿り着けなかったんだろう。

ごめんなさい。

慶介さん、ごめんなさい。


私、慶介さんとは結婚できない…―――。