まだ登校して3日。
まわりには知らない人ばかりで口数もすくない。
そんな高校生活にまだ不慣れな中…



『もう、みんなも慣れてきたころかなー』
いやいや先生。それには無理があるだろ。
「いやいや先生。それには無理があるだろ。」
嘘!?心の声もれた!?
わたしは今思ってたことが口に出てしまったのかと思い、あわてて口をふさいだ。
いや。待てよ。わたしの声じゃない!!
「涼介のいうとうりだよ先生ー」
『佐木ー。そんなこというなよ~』
涼介…
佐木…
みんなが口々にいうその佐木涼介とやらに視線を向けた。
いかにも持てそうなその可愛い顔。
いまの状況からして誰とでも仲良くできるような性格なのだろう。
その彼は「だよなー」といって言葉のわりにはクラスに慣れていた。
てゆうか、列挟んで隣の席じゃん。
『じゃあ、授業の準備な。』
わたしは授業の準備をしながらあまりにもおもっていたことがいっしょすぎて戸惑いを隠せずにいた。

そして。
なぜかどうしても慧くんのことで頭がいっぱいなってしまう自分に腹が立っていた。

「慧~。次移動だぞー」
…………ッッッ!!
反射的に動くわたしの体は、わたしに教えてくれていたんだろう。
密かにもっているわたしの恋心を。