地図も家に忘れてきちゃうし。 なんでこんな日に限って運がついてないんだろう? 無意識のうちに涙で視界がぼやけた。 「あの...大丈夫?」 必死に涙をこらえていると頭上から男の人の声がした。 ふと顔をあげるあたし。 「え...」 目の前にいたのは着崩した制服、金色に染まった髪の子が手を差し出していた。 その手には無数の傷があって── だれがなんと言おうとヤンキーという部類に入るような人。