陽だまりの天使

案内されたスタッフルームの中は、幻想的なギャラリーから想像できない、ところ狭しと並んだ事務用品。

整理はされているが、全体的に収納が不足していて、ファックスやパソコンなどの機械類の存在は現実に引き戻す力があるようだ。

「汚いところをお見せして申し訳ない。アトリエはこの奥だから」

「いえ、施設の事務所も似たような感じで、親近感が沸きます。舞台の裏側が見れた感じもしますし」

先を行く坂木さんが恐縮しながら奥にある扉を開けると、寒々しい倉庫のような場所にペンキや大小様々なキャンパス、布、絵の具。

見てきた作品で使われてたのだろう画材はもちろん、木材、ペンチ、針金など、どう使うかわからないものが乱雑に点在している。

「このスペースは倉持先生が作品を手がける間はすべての配置に意味があるらしくて、片付けはおろか掃除もさせてもらえないから、足元に気をつけて」

あちこちに散乱している筆などの小物を踏まないように気をつけながら坂木さんの後を着いていくと、高い場所にある窓から入る光がスポットライトのように当たる場所に、預けたネックレスが掛けられているのが見えた。