楯になって背中に庇ってくれるような立ち位置が大事にかばわれてるように思ってしまう。
こういうところが勘違いしたくなるんだろうなとこっそり坂木さんの横顔を眺めながら思う。
たぶん、こういった振る舞いは自然と体が動くくらい接客をしているのだろうし、大事な相手も大切にしているんだろうと、羨ましくと思う。
今日、この後出会うはずの男性たちの職業やバイトの経歴を聞いてみよう。
接客業なら、こんな風に大切に扱ってもらえるかもしれない。
「雄大が失礼な上馴れ馴れしくてごめんね、高野さん。そうだ、よかったら奥のアトリエを見て行って。先生がネックレスをずっとそこにあるんで」
「おい、食わねえのかよ。だいたい、部外者入れんな」
冷たい視線と固い土谷さんの言葉はもっともで、足を縫い止められそうになった私を動かしたのはやっぱり坂木さん。
「雄大たちが遅かったから先に食べたよ。モデルのオーナーなんだから、十分関係者でしょう。さ、高野さん。雄大の言うことは気にしないで。がさつに見えるけど、あいつ心配性なだけなんだ」
言い返せない土谷さんに嬉しそうな坂木さんは、優しく私の背中を押して土谷さんから離れながら場所を移動する。

