陽だまりの天使


案内を申し出たのはあくまでリップサービスのようで、土谷さんはすぐ私に背中を向けてしまう。

土谷さんの思いをわかっているのかいないのか、坂木さんは明るい声で私を手招きする。

「急ごしらえの食卓で申し訳ないけど、食べようか」

いつの間にか坂木さんはスタッフルームのすぐ近くにある机に買って来たコーヒーとサンドイッチを並べていて、土谷さんが嬉々として近づく。

「おお、ストカフェのオムレツサンド。マフィン買ってきただろうな・・・よし、わかってんなー真理」

すっかり私への興味は失せたのか、意外にも甘党らしい土谷さんは主食になるはずだろうサンドイッチよりも先にマフィンを口に運ぶ。

「雄大、食べる前、というか食べながらでもいいからに倉持先生たち連れてきて。一応さっき声は掛けたんだけど」

マフィンを目いっぱい口の中にほおばっている土谷さんがモゴモゴと文句を言いながら立ち去るのを見て、苦笑しながら坂木さんが隣まで足を進めてくる。

「さっきコーヒー飲んだばかりだけど、ご飯まだでしょ。食べてから案内するよ。オムレツサンド一択だけど、お勧めだから」

「じゃあ、お言葉に甘えて」

断る理由もないし、最初から頭数に入っているなら、断ったほうが坂木さんに迷惑がかかる。

スタッフルームから坂木さんが持ってきた椅子に腰掛けて、土谷さんを待たずに坂木さんはサンドイッチにパクつく。

男の人だなあと思わせる、大きな一口にボリュームのあるサンドイッチが瞬く間に消えてしまう。