ダメ男と呼ばれ早16年、陰口や冷たい目線に慣れ早16年。
悲しいことに俺はその経歴を日々更新している。


周りをきょろきょろと不自然な程に確認しているマスクに眼鏡を着用している男子高生がこの俺、田中翔。
お陰で目の前は真っ白だ。


何故俺がマスクを着用しているのか、それは最近あるオシャレ、等ではない。
単純に花粉症だからだ。


「ぶぇっくしゅん!!!」


このように、俺はくしゃみをしながら毎日のように菅谷高等学校に通っているワケだ。


通りすがっていく人たちは俺を見てはクスクスと笑っていく。


(…朝からご苦労なことで)


皮肉を込めてそう思いながら俺は教室へと向かう。


ガラガラガラ


「おはよーふぉざいまふ」


ふあああと欠伸をしながら挨拶をクラスメイトにかわす。


今日はありえないことに5:00起床、そのまま二度寝しようとしたがなかなか寝付けなく仕方なく起きたワケで。


声を大にして言いたい、学園一トップのダメ男と呼ばれるこの俺はとても眠い!!!!


だがここでそんなヘマをしでかす俺ではないのでここはあえて何も言わずに席についた。