ゴーン。ゴーン。 よし。終わった。放課後だ。帰れる。 最初はこの鐘のようなチャイムに違和感しか覚えなかったが今となってはどうでもいい。 「もーねちゃーん♡」 「なあにー?♡」 「ご機嫌だね…」 帰れるという幸せに顔が笑顔をやめようとしない。 杏果は私の顔を見るなり、少しだけ顔を引きつらせていたが気にしない。 「クレープ♡」 「は?」 なんのことだ。 …あ。 「あ。」 忘れていた。そうだった。宿題を見せてもらったのだ。 帰れない…。