虹色の砂時計


回収が終わり、花音とちーちゃんが私の席までやって来る。

鈴原千奈都、あだ名はちーちゃんは高校に入ってからできた初めてのお友達。

名字が「さ」と「す」だから私たちは前後だったの。

「杏菜~どうだった?あ、そう言えばおはよー」

「おはよーちーちゃん…最悪だったよ。私の口からは言いたくないほど。」

うん、本当にこの点数は言いたくない。

「ふーん。ね、稜太くん!杏菜のテストの点数教えて。」

花音が私じゃなくて稜ちゃんに聞き始める。

私は稜ちゃんが言うのを止めたいけどそんな気力なんて残ってない。

稜ちゃんは花音とちーちゃんに「ゼロ」とだけ言って、
仲良しな男子のところに行ってしまった。