虹色の砂時計

「えっ!?杏菜大丈夫?顔真っ青だよ。」

「大丈夫…だけど、なんかここ嫌な感じがするの。」

何で嫌なのかはよくわからない。

でも入りたくない。

と、思っているとガチャッと玄関の開く音がした。

家の中から出てきた人は男の人だった。

「花音ちゃん、こんにちは。
杏菜、こんなところで喋ってないで家の中に入ってもらいな。俺は仕事に戻るから。」

会話の内容からこの人は私のお父さんだと思う。

だけどやっぱり覚えていない。

それになんか怖い。私達に向かっているその微笑みが悪魔の笑みに見えてしかたがない。