もう迷惑かけたくないよ…
ガラッ
「山内。今日は学校に泊まろう。」
「えっ⁉︎」
「先生みんなで話して、今日は立上先生が、一晩山内と保健室いてくれるってことになったから。」
「…わかりました。」
立上先生は英語の先生。
私も普段から慕っていたから、断る理由はなかった…
けど、、、
「山内、大丈夫?」
立上先生が来た。
「大丈夫です!」
とは言ったけど、立上先生は気難しい顔つきで、
「血圧測ろうか」
って言った。
だから、血圧を測ろうとしたけど、私はとっさに左腕を隠した。
私は…明先輩からの嫌がらせにストレスを感じ、リストカットをしていたからだ…その仕草に怪しいと思ったのか、
「…山内?ちょっと腕見せて」
立上先生は強引に私のブラウスの袖をまくった。
そこには生々しいほどの傷跡があった。
「ダメ。
こんなことしちゃ。。。」
立上先生は辛そうに言った。
けど、辛いのは私も同じで、
私は、先生が目の前にいることも忘れてポケットに隠し持っていた貝印のカミソリで深く左腕を切ってしまった…
「山内!ダメ!」
「…⁉︎ご、ごめんなさい…」
立上先生は何も言わずに傷跡を消毒してくれた。
そして消毒を終えて、
「山内、ポケットの中身全部出して?」
私は、素直に全部出した。
カッター 4本
カミソリ 5本
ブロン剤
消毒液
絆創膏
包帯
サポーター
…が入っていた。
立上先生は悲しそうに
「これは没収するね?」
って言った。
私は何も言わなかった。
ううん、言えなかった。
「山内、大丈夫そうならご飯食べる?」
「いぇ…気分が悪いので、いいです。」
「そぅ…
じゃあ、血圧右手で測ろっか」
立上先生は素早く私の右手に血圧計を巻きつけた。
ピーッ
数値は、最高血圧が90、最低血圧が50だった。私は基準がよくわからなかった。
「…これは…」
ガチャッ
「もしもし、立上です。
保健の先生はいらっしゃいますか?
…あぁ、そうですか…
田部先生はいらっしゃいますか?
はい、お願いします。」
ガラッ
「どうしました⁉︎」
急に立上先生が電話をかけたと思うと慌てて田部先生が保健室に来た。
「血圧の数値が…」
「えっ⁉︎こんなに低かったの?」
「とりあえず、立上先生は少し休んでください。1時間は私が様子を見ます。」
「ありがとうございます」
私は、突然のことにただ戸惑っていた。
