何を言われるか想像はつく。。

「あのさ…山内。。
もう、倒れそうなんじゃない?
今日はもう帰ろ?」

「いぇ…大丈夫ですっ」

「でも…なんか、危ないし、倒れてからじゃみんなに迷惑かかるよ?」

「ほんとに大丈夫ですから!
今日はちょっと…手が震えるだけです…」

「わかった…
でも、辛くなったら言って?」

田部先生は私の頭を優しく撫でた。

「はい…」

私は返事をして何事もなかったかのように作業に戻った。
こんな風に先生が心配するようになったのは、先週からだ。
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ー先週ー

ガタンッ

作業中にすごい音がして、みんなが一斉に振り向いた。
私は、作業中倒れてしまったのだ。

「気高先生、担架!!」

田部先生が慌てながら、そう叫んでた 。

「もしもし、気高です。
企画員室で、山内が倒れました。
担架お願いします!」

気高先生が職員室に連絡してた。
それを聞きながら私は意識が遠のいていった。。

「山内!山内!」

気がついたら、保健室で保健の先生と担任の大竹先生、田部先生と気高先生が私の周りを囲んでた。

「気がついた??
今は、保健室。
山内は企画員室で倒れたんだよ。
状況はわかる?」

「はぃ…」

「山内、あんまり無理すんな?」

大竹先生が優しく言った。
私は正直嬉しかった。。

けど、大竹先生と保健の先生がいなくなって、田部先生と気高先生と3人になって、少し話をしてたとき…

「ハァハァハァハァ…」

「山内?どうした?息が苦しい??」

「いぇ…ゴホッ 大丈夫…ハァハァ…ハァ…」

「いや、大丈夫じゃないでしょ。
気高先生、袋とってください!」

そう言って田部先生は袋を口に当ててくれた。
やっと落ち着くと田部先生が、

「山内…
なんかストレスたまってない?」

「いぇ…別に。。」

「あのね、山内。
今のは過呼吸って言って、ストレスが原因で起こるの。
だから、なにかあるんじゃない?」

私は、明先輩のことか…と思った。
明先輩から私は無視だけでなく、迷惑メールや電話、暴言を受けていた。
けど…

「大丈夫ですからっ」

私はごまかした。
任期はもう後、4ヶ月…
きっと、なんとかなると思ったから…

「そぅ…」

先生はそれっきり、その内容には触れなかった。
そして、大竹先生が帰ってきて、

「山内。
お母さんは単身赴任中だって⁉︎
家に1人になるけど…
どうする?1人で大丈夫か?」

そう。。私は母子家庭で、お母さんは本社での仕事が忙しくて東京に単身赴任してた。

「大丈夫です!」

そう言って立ち上がろうとしたけれど…

フラッ

「山内⁉︎」

立つと激しいめまいに襲われた。
とてもじゃないけど、立ってられなくて倒れ込んでしまった。

「これじゃ…無理だな。
ごめん。山内。ちょっと待ってくれるか?」

「はぃ…」

すでに、時計は8時を回っていた…