さあっと、二人のあいだに風が流れる。
ジルの漆黒の、ラルフの橙の髪を、穏やかに揺らした。
「お前よ…最近、エレナとほとんど口きいてねぇみてぇだけど、なんかあったのか?
明日発つってのに、ちゃんと話したりしたのかよ?」
いつもの、やかましい声音ではなく、珍しく真面目さを含んだ声でラルフは尋ねた。
ジルははっと息を吐いて頭を降った。
それを見て、やっぱりな、とラルフは呟いてから舌打ちをした。
「何があった。話せ。」
「…………。」
「お前とエレナが気まずいまま行くのは胸糞わりぃんだ。オラ、とっとと吐け。」
言いたくはなかった。
あまりにも自分が情けなく見えて。
でも言わずにはいられなかった。

