神様の藥箋






頭を金づちで殴られているような、絶え間ない衝撃が脳に反響している様に感じた。



見慣れた家の中が、波紋を立てるようにゆらゆらと揺れている。









アストリアの、民?




ラルフが?




信じられない。




だったら、なんだ?




もう、会えないのか?







いつも、唐突に訪れては好き放題散らかしていって嵐のように去っていくことも、







扉を叩くときの、独特な音を聞く事も、







熊みたいな大きな顔の、屈託の無い笑顔を見ることも、




「すまねぇな…ジル。会えてよかった。


遠く離れていても、


お前は俺の唯一無二の友だ。」







…全てこれが最後なのか?







竹馬の友が、対立する国の、民になる。










頭が真っ白になって、計り知れないショックを受けている。



胸を締め付けるような苦しさに思わず顔を歪めた。





自分にとってどれほど彼の存在が大きいのか今になってまざまざと思い知らされた気がした。





辞めるように、説得したかった。



考え直せと詰め寄りたかった。







……でも、できない。






自分を職人だと言った、真っ直ぐなラルフの視線が、強く強く訴えかけてきたもの。






それが痛いほど伝わってきたから。







決して譲れない、職人としての意地と誇りを。