神様の藥箋


「一体、お前は何しに来たんだ!!」




厩手で馬にゴシゴシと刷毛を擦りつけていた大男を見上げて、ジルは今までのモヤモヤをぶつける様に叫んだ。





「はあ?」







「毎日、毎日、食っては寝、食っては寝、起きたかと思えば食料を漁り…




冬眠前の熊か!!」







「そういうお前は小さい子猫ちゃんみてぇだな。」






体全身をぷるぷると震わせながら、今にも毛を逆立てて威嚇しそうなジルの髪を大きな手のひらがぐるりと撫でた。




その手をジルはピシャンと振り払う。



「まさか、なんの用もなく王都からノコノコ遊びに来たのか?」




「いやー、そんなこたぁねえよ?」




どこか言葉をはぐらかすようなラルフの態度に、ジルは眉をひそめた。




一向に引き下がらなそうなジルを見て、ラルフをは大袈裟にため息をついた。






「言わなきゃなんねぇのか…」






「当たり前だ。」







ラルフは一瞬、口元をへの字に歪めながらチラリとジルを見ると諦めたように、深くため息をついた。







「再来月辺りに、アストリアに行くことになった。



スクロッカには…、もう多分戻ることはないと思う。」