ただ、彼女は野薔薇に見とれていたようで、そんな小言は耳に入っていなかったように見えたし、
彼も別段、言い聞かせる為にいったわけではなく、
ただ、無意識に知っていた知識がこぼれてしまった程度で、もちろんそんな事を言った記憶など残っていなかったし、彼女も聞いているとは思っていなかった。
「あ、はは。…これは驚いた。
これからは、気をつけて発言しなきゃならないな。」
冗談ぽい口調で言ったせいか、彼女はぷくっと頬を膨らまして、上目遣いで彼を軽く睨んだ。
「先生の言葉は一言だって聞き逃したりしません。」
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