とうとう、ふらつく足を寝具から引きずり出すようにして彼はのっそりと立ち上がった。 冷たい扉の取手部分に手をかけて、向こう側に扉を押し出すと、目の前の明るい緑色の瞳が彼を捉えた。 一体何時からいたのだろうか。 獣の毛で作られた羽織は、見るからに暖かそうだったけれど、今は初冬。 寒くないはずかない。 少し血の気の失せた唇から、白い息を吐き出して彼に微笑みかけた。 「こんなにお寝坊していますと、シュランの花が落ちてしまいますよ。」