「おい、どっちだよ。
あいつと付き合いたかったのか?」


怒った口調のモデル男子。
あわてるあたし。


「いえ、その・・・付き合うも何も・・・
あたし田舎からここに来たばかりで・・・
歩くのにも必死で・・・
バスに乗ってもルールがわかんなくて・・・」

「よくわからん言い訳だな。
やっぱり付き合いたかったのか」


「違いますってば!」


「それならよかった。
お前と俺は付き合ってるんだからな」

「はぁ?」

「つまり恋人同士って事。
俺、神山光太郎。お前は?」


「あたし?あたしは・・・凛子。園田凛子」


「そう、凛子かぁ。
どうぞよろしく!」


モデル男子、いや、
神山光太郎は顔を近づけのぞき込む。


「顔色も良さそうだし、大丈夫だな。
教室まで送らない。
帰りは迎えに行くよ。俺は3年1組だ」


それだけ言い残すと保健室から消えた。

枕元にサンドイッチが置かれてる。
これも光太郎?


サンドイッチをほおばりながら考えていた。

転校一日目。

なんだかよくわからないけれど

とにかくあたしは歩いてる。

回転すしのレールから落ちないように

必死に!