酔いそうな人ごみの中を

あたしは歩いている。

肩で揺れる長い髪が

すれ違う人に絡みつきそうなほど接近。


あたし園田凛子。
高校2年生。

最近ド田舎から大都会へと越してきた。




どうして都会は人間が多いのかな。



どこからともなく人が沸いてきて

気がつけば人にもまれてる。



立ち止まれば後ろの人がぶち当たり

ベルトコンベアーに乗った回転すしのように


歩き続けなければならない。



あたしはやっと学校行きのバスに乗り

ひと息つくと


開いてる席に座った。