なんだかなー…もう、完璧に麗華に入れこんじゃってるよね。


朝はあれほど関わらないって息巻いてたのに、結局麗華に入って、1日でみんなの事好きになって学校が楽しみ…とか。


どんだけ決意がゆるいの、私。


まぁ、これは別に結果オーライだけど。



『…杏』


あ、また類のこと忘れてボーッとしてたや。

やけに近くで聞こえた類の声に、我に返って顔を上げる。


『うわっ⁉︎』


顔を上げた私の視界に入ったのは、端正な顔立ちの類の顔。

ニヤリと薄く笑った類の目が、私の視線と混ざり合って、一瞬私の中で時間が止まった錯覚に陥った。



……うわ、どうしてまたこんな事になってるの?


状況が理解できないまま、腰に手を回されて強く類の方向へと引かれる。



バランスを崩して、前に倒れかかった私を支えた類が、そのまま私をベッドに放り投げた。




『ちょ、びっくりしたじゃん!』


『……お前がベッドで寝ないからだろ』




眠そうにあくびをかみ殺しながらそう言った類が、なぜか自分もベッドの中に潜り込んできた。




『類、あんた何してるの』


『……布団かぶった』



『そうじゃなくて!』