『……杏』
『ん? 』
いつの間にか黙っていたのか、私を不思議そうに見る類と目があって、軽く笑みを浮かべる。
その笑みに類も少しだけ微笑み返してきて、一瞬だけ、その笑みに見惚れた。
やっぱ、顔は綺麗なんだよね、類って。
あとはこの頑固な性格さえ治せれば、パーフェクトじゃない⁇
顔も良くて喧嘩もできて、頭がいいかわからないけど運動は出来そうだし。
こりゃあ、もしいたら学校の。今でも、他中の女の子たちが放っておくわけないよね。
……ん?
私、今、自分でなんて言った?
自分で言った言葉が妙に引っかかって、急いで頭の中でリピートさせる。
___女の子たちが放っておくわけないよね。
違う、その前。
___顔も良くて喧嘩もできて、頭がいいかわからないけど運動は出来そうだし。
違う…もう少し後ろ。
___もしいたら学校の。
そうだ、学校だ。
物凄く忘れてたよ、学校の存在。
私、昨日転校したんだよ?
初日遅刻とか、絶対ダメだよね?!
真面目に行くつもりなんてなかったけど、るっちゃんときょーセンに悪いし…それに、麗華が居るなら行った方が楽しそうだし。


