るっちゃん達を見送って、倉庫内で雑魚寝している子達に布団をかけて、幹部室に上がる。
『……杏』
総長部屋の前の椅子に座った類が、隣を叩いて名前を呼んだのを見て、遠慮なく隣に座る。
『……今日はありがとな。
お前のおかげで、初代さんと話せた』
隣に座る私の髪の毛をいじりながらそう言った類に、頭を動かさないように返事をする。
『そういや、私、双子の名前聞いてなくて…どうせだから自己紹介しない?』
よくよく考えれば、私が自己紹介してた時皆いなかったし!
あまりお互いを分かってないんだよね。
『それ、良いね。
俺からやっても良い⁇』
賛成した夏に頷いてみせると、なぜかメガネを外した夏が私を見てニコッと笑う。
『俺はここの副総長の松井夏。
因みにコレは伊達眼鏡だからね』
『そうなの⁉︎』
だから私を見て笑ったのか。
1人で夏が笑った事について納得すると、例によって双子の顔がドアップで視界に映る。


