そう言って、ふらつきながら立ち上がった春ちゃんを慌ててきょーセンが支える。
私…鋭いのかな?
今の光景で勘付いちゃったよ?
『きょーセン、はーちゃん泣かしたら許さないからねー』
『お前、何言って…‼︎』
ニヤニヤと笑いながらきょーセンにそう言った私を見て、きょーセンが焦ったように言葉を返そうとする。
やっぱり当たってるって事だよね?
あのはーちゃんが彼氏作るなんて…それも、きょーセン…!
『こいつ送ってくから、俺ら先に上がるな』
そう言ってはーちゃんと一緒に倉庫を出て行ったきょーセンに手を振って、初代の関係図を思い浮かべてみる。
『じゃあ、初代でフリーなのはるっちゃんだけって事⁇』
余り物のように残ったるっちゃんに哀れみの目を向けると、私の視線から逃げるように、るっちゃんはビールを煽る。
『俺はモテるからいいんだよ。
何なら、お前の彼氏になってやろうか?』
『お断りしまーす』
るっちゃんの申し出を秒速で断って、新しいビールの缶を持って類の隣に座る。
確かにるっちゃんモテそうだけど。
顔はいいし…顔はね⁉︎
だけど、私が知る限りで彼女作った事ないんだよねー。


