『おいクソ女‼︎ 初代さんに何してんだよ⁉︎』
『杏ちゃん⁉︎』
『何やってるのーっ』
それを見てアタフタと慌てる将と双子を無視して、るっちゃんの隣に座って、るっちゃんから奪ったビールを飲み干す。
……ムカつくっ!
『ご立腹だな、杏』
結構な数の缶を開けているくせに、酔っ払った様子のないるっちゃんが、笑いながらそう言う。
まぁ、私はるっちゃんが酔ってるのなんて見たこと無いんだけどね?
『そりゃあねー。死にそうだったし‼︎』
『そりゃあねぇな』
杏は死なねえよなんて言いながらゲラゲラと笑ったるっちゃんを睨みつける。
私は不死身でもなんでも無いただの人間ですからね?!
『杏が死ぬ程、すげえトラップじゃなかっただろ?』
新しく開けたビールをあおぎながらそう言ったるっちゃんを、ギロッと睨みつけながら近づいていく。
『るっちゃん。
それ、まるでトラップがあったことを知ってるような口調だね?』
あの部屋、総長室でしょ?
なんでるっちゃんがトラップの事知ってるの。
私の言葉にピタリと動きを止め、頬をひくつかせながら口角を上げたるっちゃんに、ニコッと笑ってみせる。
『るっちゃん。
歯、食い縛れ!』


