『1つ言っておく。
……このトラップを考えたのは、初代さんだからな』
まるで、俺には何も非が無いとでも言いたげに、両手を挙げながら類がそう言う。
初代って、お父さん…だったよね?
て事は、私の命が危ぶまれたのはお父さんのせいってこと⁉︎
頭の中で、事が整理された瞬間、私の中の何かが切れる音がした。
『……杏⁇』
私の不穏な空気に気づいたのか、遠慮気味に聞いてきた類に、薄く口角を上げて笑みを見せる。
『ちょっと、痛い目見てもらうだけだから』
そう言って、もうトラップの心配が無い部屋を堂々と真ん中から歩き、部屋から出る。
そのまま、未だに笑い声の響き渡っていた部屋に向かって足音を立てないように足を進める。
お父さんのせいで死にそうだったなんて、冗談じゃない。
あんな面倒なことする人が悪いんであって、私は決して悪くありませんから!


