別に気に入られなくても良かったんですけども。
「…なあ、」
キャッキャッと双子とじゃれ合っていると、落ち着いた声色で何かを言い掛ける類。
「なに?」
ピタリと動きを止めて類をみる。
「お前…」
お前の後に続けられた類のことばはとても衝撃的だった。
「………お前、麗華に入らないか…??」
その一言が類の口から発せられた瞬間、
クラス中が静かになって。
皆の視線が私に向けられた。
私がなんと答えるのか見物なのだろうか?
おあいにく、皆の望んでいる答えなんて。
私は出さないと想うけど。
「………お断りするよ。
私、縛られるの嫌いだし。」
もちろん嘘だけど。
しばられるのが嫌いなのは確かにそうだ。
だけど、これを断る理由になるほど嫌ってわけではない。


