「………お願いだ…。俺ら、暁兎さんと歌香さんに憧れてるんだ。」
一ノ瀬類が私に頭を下げる。
「………たく。私、面倒なの嫌いって知ってるでしょ?るっちゃん。」
「ああ。だけど、お人好しって事も知ってる。」
…こいつ、私が頭を下げられたら断れない性格なの知ってておしえたな。
「はぁ……分かった。わかったから頭上げて。総長さん。」
未だに頭を下げている一ノ瀬類、もとい総長さんにそう、声をかける。
「…本当か?……ありがとう。
あと、俺は総長さんじゃなくて一ノ瀬類。
類でいい。」
呼び捨てで呼べと?珍しい方ですね。
「…んーじゃ、類。
今日でいい?会うの。
場所は…。」
どうしよう?場所…。
「麗華の倉庫でいいだろ、」
「あ!るっちゃんniceidea!!!」
「じや今日、麗華の倉庫でね?」
「いいのか?」
「うん。電話してみる。」
よし!そうと決まれば直ぐに電話しないと…
忘れちゃうし!!!
prrrrrrrrrrr prrrrrrrrrrr
「…もしも《杏!?!杏から電話がくるなんて嬉───…人違いだったようです。」
《まって!ごめんって!》
「…たく…。」
なんで電話するといつもこうハイテンション何だ、うちの父は。


