『……じゃあ、お言葉に甘えて』



類も言ってるし、恥ずかしいけど眠いたいのも事実だし…。

この際、お言葉に素直に甘える事にします。



類の方に近づくと、口角をあげた類が私の手を少し引いて隣に座らせ、自分の膝を手で叩いた。


はいはい。頭をおけって事ですよね?
これで間違って怒っても、私のせいじゃないよね?

というか、これ、頭置くのが正解だよね?




おそるおそる頭を乗せると、類の手が頭に乗り、長い綺麗な指が私の髪の間を抜ける。


……っ…どう、すればいいの?


こんな状態で眠れるわけがない。
こんな、全身が熱くなった状態でどうやって寝ろと!?


『類、杏ちゃん苦しそうだから程々にね?』


そんな私の心情を感じ取ったのか、苦笑いを浮かべながらそう言った夏に、類が私の頭から手を離した。


夏、ナイス!
今だけは君が神様に見える…っ‼︎


ありがとう、と視線で夏に訴えると、夏は察したように笑みを浮かべた。

……ああ、なんだかんだ言っても、眠気にはやっぱりかなわないらしい。



いつのまにかまた私の頭の上に戻っていた類の手に撫でられながら、私はそのまま目を閉じた。