『杏ちゃん、倉庫いこっ』


『うん、分かったー』



ニコニコと満面の笑みを浮かべた零に手を引かれ、学校から出る。



空はすでに茜色に染まっていた。
そろそろ、学園祭も終わる時間らしく、かえる人達が増えてきている。


『まぁ、少しだけ今年は楽しかったな』


『お、将? それはもしかしなくても私のおかげですか』


『誰がお前のおかげだ、クソ女』



ニヤニヤと将に突っかかると、将はまるで待ってましたとでも言いたげな表情を浮かべて返してくる。


ほら、やっぱり私のおかげじゃないです?
て事で……。


『類、将の奢りでアイス食べに行こう』


『はあ⁉︎ おい、お前何勝手に決めてんだよ?』



後ろで何か言ってる将は無視。

ここは将に奢ってもらうしかないよね、うん。


『ああ』
『類まで⁉︎』


類も楽しそうに笑いながら頷いてくれたし、将も何気に楽しそうに類に突っ込んでるし。
まぁ、いいでしょ?



『杏ちゃん、高いのでもいいのかな?』

『将のお金だからいいと思うよ?』