ほら、よく言うでしょ?
馬鹿は風邪を引かないんじゃなくて、風邪を引いてることに気づかないだけって。
私、自分の体調くらい管理できる程度には馬鹿じゃないよね?!
『……百面相。
お前の表情はよく変わる』
フッと口元に笑みを浮かべた類に慌てて頷き返し、食べかけだったクレープに逃げる。
うーん…
知っている人がいるのなら誰か、教えて欲しい。
この人の対処方法を。
『類、どこか行きたいところある?』
『…特には』
クレープを片手にグルグル回っているだけの状態から抜け出そうと、類の考えを聞こうとするも撃沈。
そりゃ、そうですよね。
類さん、特に行きたい場所とかなさそうですし?
双子とか、将とかなら色々走り回って探すかもだけど。
あ、そうそう。
それで、夏が面倒臭そうに保護者役をこなすんだよね。


