紅一点の最強美少女!!!



むすっと頬を膨らませて類から顔を逸らす。

良いですよ。別に。
苺クレープの美味しさは私1人で味わうつもりだったしね。


1人でブツブツと呟くのをやめて、苺クレープを一口頬張る。


『ん〜っ! 甘くて美味しい…っ!』


頬張った瞬間に口の中に生クリームの甘さと苺の酸っぱさが広がる。

苺が冷えてて冷たくて美味しい。
苺のアイスと生クリームが何とも言えないコンビネーション。



思わず拗ねている事も忘れて苺のクレープを頬張る。


『……杏、一口』



『おっ、やっぱり類も食べたかったんだね?
良いよー』



何も考えずに類の口元へと苺のクレープを持っていく。


そんな私に、一瞬驚いたように固まった類は、何事も無かったかのようにクレープを一口頬張った。


『どう? 美味しいよね?』


類が飲み込んだのを確認して、そう聞きながら顔を覗き込む。


そんな私を見た類は、ふっと、さっきクレープの店で見せたようにまた口角を上げた。


いつもの笑みとはどこか違う。

今日の類の笑みは、いつもより何倍も甘いように感じるんだ。



それこそ、苺のクレープよりも。



何故かわからないけど、そんな雰囲気を類が醸し出してる。

元から心臓50個あっても足りないなんて思っていたけど、こんな笑み見せられたら、とても50個では足りない。