ダメだ、これ。
最早、歩きづらいってレベルじゃない!
『零、どうかした?
てゆーかっ、陽は離れて‼︎ 歩きにくい!』
ふくれっ面の陽を引き剥がして、類と零の間から抜け出す。
うん、やっぱり横に6人並んでたら狭いし邪魔だし。
ただでさえ目立ってるのに…さらに視線が刺さってくる。
小さくため息を漏らし、類の後ろ側へと回るった。
『お隣いい?』
『別に聞くことないよ、夏』
私が外れたのを見た夏は、同じように外れて私の隣へと並んだ。
うん、やっぱり、それでも多い。
流石に6人じゃね…。
『ちょ、夏…お前、やっぱり怖い』
いつの間に夏の隣に並んだのか、顔を引きつらせながらそう言った将に、夏の周りに何やら怪しいオーラが漂う。
……あ、将。何となく理解できた。
君はあと少しであの世に逝く事になりそうですね。
『おい、杏! お前、拝むなら助けろ‼︎』
『え、イヤイヤ。何でわざわざ命をかけないといけないの……って、うん?』
将のためにかける命なんて持ってないし、とか言いたかったんだけどね?
今、将なんて言った?
気のせいじゃなければ、名前呼んだ?


