『……分かった』
早く…! と急かす私の気持ちが通じたのか、頷いた類に、袖口をつかんでいた手を引かれ、雷火の横を通り過ぎる。
『待てよ類!』
『あー! 杏ちゃんと消えるのなし!』
『僕達も行く!』
『類、皆んなで回る約束だったよね?』
そんな私達を追うように、それぞれが何か叫びながら隣に並んだ。
……いや、隣に並んだらダメでしょ。
廊下で6人が横になるんだよ?
邪魔じゃん。
完璧迷惑人じゃないですか。
『あ、そういえば、あのまま雷火の人達放置しちゃだけど、大丈夫なの?』
『…ああ。気にするな』
まぁ、類が気にするなっていうなら別にいいか。
『ねー、杏ちゃん!』
『ん?』
私の左隣には類。
右隣には零。
取り敢えず、2人に挟まれながら物凄く歩きづらかった私の腹部に、陽が抱きついてきた。


