『はいはい、ここでも喧嘩勃発させない』
『……夏…!』
顔を真っ赤にして言い返そうとした将に、夏のブラックスマイルが炸裂した。
そんな夏を見て顔を引きつらせた将は、私に言おうとしていたらしい言葉を飲み込んで、大きく舌打ちをした。
『夏はその女の味方だから厄介なんだよなー』
『女の子に優しくするのは常識だからね』
将の嫌味に、今度はニッコリと笑って答えた夏に、将は完全敗北を喫した。
え、なんで分かるかって?
そりゃあ、そのセリフを聞いた女の子達が、類達の喧嘩を見ず、夏を見て目をハートにさせてるからね。
てか、そろそろ回らないと時間がない…!
『類、もう時間ないから、早く行こう?』
少し小走り気味に類に駆け寄り、何か言っている海里 を無視して類の袖を引く。
早くしないと、食べ物系は売り切れちゃうんじゃない?
パンフレットに、クレープとかたこ焼きとか売ってるって載ってたし。
食べないと絶対後悔する!


