「瀬戸?」 戸惑いの声。 顔は見えないけれど、きっと驚いてるんだと思う。 「いや、あの……ここに居てもらえませんか」 意識せずに動いてしまった体。 だから、何にも考えていないわけで――どう説明しよう。 「でも……お前、暗所恐怖症だったりする?」 少し間が空いて、そう聞いてくる湊叶さん。 きっとカミナリが苦手だったから、そう考えたんだと思う。 「いいえ……別に暗いところは、平気なんですけど」 そう。暗いだけなら問題ない。 だけど、今日はダメ。 雨と暗闇。 このセットが、私は何より嫌い。