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まだ、ドキドキしてる。
カミナリの所為じゃない。
いくら鈍感でも、ここまで意識しちゃったら分かる。
気付いちゃった……私、湊叶さんの事が好きなんだ。
しかも、それに気付いてどうしたらいいのか分からなくて
逃げようとしたら、雷が鳴っちゃうし……。
もう、湊叶さんが普段言わないようなことを言うからだ。
だから雷は鳴るわ、バケツをひっくり返したような雨が降るわ
そして、カミナリが苦手なのを知られてしまった。
挙句の果てに、帰りのフェリーに乗りそびれてしまい
その結果、ココにお泊りということに――。
外はもう暗くなっているのに、雨は降りやまない。
いつまで、雨が降るんだろう。
雨の日は嫌い。あの日を思い出すから。
窓を打ち付ける雨粒を、恨めしく思いながら睨み付けた。

