「本当に大丈夫か?」
「――っ」
震えが治まらない瀬戸の肩に手を置こうとした瞬間
ピシャリを手を跳ね除けられてしまう。
「……あ。ご、ごめんなさい。ほ、本当に大丈夫ですから」
怖がってる……まるで、小動物が天敵に襲われているみたいに――。
原因は――俺?
さっき、俺が指を舐めたから……もしかして、セクハラされたとか思った?
「いや、俺こそゴメン。さっきのは、本当に」
「いえ……気にして、ませんから」
嘘吐け、めちゃくちゃ気にしてる癖に。
その証拠に、さっきから全然俺のこと見ないし。
「あの。それじゃ、私……っ、ひゃ」
再び空が光り、地響きのような音が低く鳴り響く。

