「ひゃっ」
額に手をやり自分のしでかしたことに頭を抱えていると
入り口の方から、また小さな悲鳴がした。
「瀬戸?」
立ち上がると同時に、ゴロゴロと空が鳴る。
やっぱりカミナリが鳴っているんだ。
だとしたら、もうすぐ雨が降るかもしれないな。
車で送った方が良いかもしれない。
そう思って、店内に向かう。
すると、店の入り口で床にしゃがみ込み
小さく体を震わせている瀬戸の姿が目に入った。
「大丈夫か?お前、やっぱりカミナリ苦手なんじゃないのか」
「……だ、大丈夫です」
いつのも元気はどこえやら、蚊がなくような小さな声で言う彼女。

