訳アリ店長に”恋”しちゃいました♡【番外編追加】


目は潤んでるし、もしかして泣く?

でもなんだか、この表情って――女の……。



「~~っ。わ、私」

「な、なに?」



俺が変な想像をしていると、急に大きな声をだして立ち上がった。



「帰ります」



俺が舐めてしまった指を左手で握り

そう言ってキッチンから逃げるように走りだす。



「瀬戸っ」



彼女を引き留めようと、手を伸ばすものの

それは宙を掠めてしまう。


なんで俺、瀬戸を止めようとしたんだ?

それに止血のためとはいえ、あんな事を――。

数秒前の事を思い出し、自責の念に駆られつつ

自分の行動に戸惑ってしまう。