二人だけの秘密なら、私がこの場所を知ってもいいの?
大切な思い出の場所とか、そんなところじゃないのかな。
「そんな大切な場所に、私が来て大丈夫なんですか?」
「もちろん。こっちおいで」
流れ着いたのか、浜辺に大きな流木がベンチのように横たわっていて
そこへ手招きをする蒼汰さんと並んで腰掛ける。
「――綺麗ですね」
「でしょ。ここから眺める海、俺好きなんだ。水面に太陽の光が反射して、キラキラしてて……ここに来ると、すっごい癒されるんだ」
本当に水面が宝石のように輝いていている。
しかも人は来ないし、独り占めしてるみたいで贅沢だ。
今頃、湊叶さん達はどうしてるんだろう。
「湊叶と絢さんの事、気になる?」
私の考えを読んだのか、突然そんなことを言い出すから
ベンチからズレ落ちそうになった。

