源さんは、この船の中にある売店のおじさん。

Caféに行き初めてから、毎週船に乗っていると

地元の人か、観光で来ている人か分かるようになってきた。


数人の人とは言葉を交わすこともあるけれど

一番仲がいいのは、やっぱり源さん。

顔を合わせると「天気がいいなぁ」とか「バイトはどうだい」とか

必ず声を掛けてくれる。

多分、孫のように思ってくれているのかもしれない。



「そうかい?何かあったら、いいなよ」

「ありがとう、源さん」

「そうだ、これあげるよ」



手渡されたのは、ビー玉入りのラムネ。

シュワシュワ感が堪んなく美味しいんだよね。

ふふふ、ちょっと元気出てきたかも。



「やっぱり、つばさちゃんは笑ってる方がいいよ」



くしゃりと目の両端に皺を浮かべて笑う源さん。