幼馴染みである、彼なりの励まし方。

本当、蒼汰にはいつも助けられてばかりだ。

だけど――



「――蒼汰。重い……」



このままじゃ、俺が潰れる。

早く退いてくれ。



「んー?」

「んー、じゃなくて。退いてくれ」



知らばっくれんな。

俺の状況、分かってるんだろ。

蒼汰は実家の跡を継いで漁師をしている分、俺よりも力も体力もある。

だから非力な俺が、蒼汰の体を押し返すことなんて出来る筈もない。



「良いじゃん」



ケラケラと蒼汰の明るい笑い声。